昔は「神が降りてきた」「悪魔に憑かれた」とされてきた人々が、現代は「精神疾患」という枠組みで理解されている。科学が神を殺したのだ。
しかし、医療は皆が思っているよりも理論に基づいているわけではない。よくわからないけど使ったらよくなった(ように見える)という経験則で使われている薬も多いし、機序が解明されているものも、あくまで「科学的な考察」に過ぎない。そもそも心理学などは生まれて数百年の学問である。
神が確実に存在するとまではいえない。
けれども、同様に、科学もまったくもって完全ではない。
この2つにそこまで大きな差があるとは思えないのだが、現代人には後者が人気のようで、とても不思議に思う。
閉鎖病棟が神の館である可能性を、私は捨てきれない。