しなやかな貴金属

淀みのrhythmからなる雪隠

2023 春 短歌

6日遅れですがなんとか継続してます。春というとどうしても思い浮かぶ材料が桜ばかりになってしまうのがむつかしい。教養も、感性もだめなので。つまりは精進します。

 

1. 春一番杉の恋文あてどなくその眩しさに目を擦る君

2. 心機一転新大陸暦も貼り替え終わりの始まり

3. 移り気な母の行く末決めたのはいつどこの街の桜のトンネル

4. 華奢な手に夢をいっぱい詰め込んだ新入生に皐月這い寄る

5. 真夜中を抱いた季節に走るだけ暖かな色と大気に乗せられ

6. 滑空す家庭科室の紋白蝶丸い右目にそつとスケッチ

7. 春霞を傘を投げ捨て突き進む柔らかな雨を鎧に纏って

8. 青一面タコさんウィンナー鮭おにぎり鶏の唐揚げフライドポテト

9. 赫きもの冬を装い春を舞う我は澱めど暦は替る

10. 汗ばむ肺にキスする三秒前土の長閑を妊む右足